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 八幡神社絵馬の旅⑤ 加藤泰済公奉納 牽馬図

久しぶりの絵馬シリーズです。

今回ご紹介するのは、中殿に掲げられている絵馬の中でも一際存在感のある、大洲藩10代藩主 加藤泰済公奉納の「牽馬図(ひきうまず)」です。

幅6尺を越える漆黒の大きな絵馬です。大洲藩主の奉納ということで、絵馬の両側に蛇の目の紋が入っています。黒馬の位置と口取りさんの位置と姿勢のバランスが絶妙で、黒馬の美しさと荒々しさがしっかり伝わってきます。言うこと聞かなそうな目してますもんね・・・(笑)

奉納されたのは文化9年(1813)。約200年前と比較的新しい時代のものだけに、比較的色彩も残ってくれています。馬の装具の飾りの美しさが伝わってきますね。それにしても、馬の口取りさんの膝や衣裳に松の枝のようなものが付いていますが、これは単に飾りということなのでしょうか。う~む、もっと勉強せねば・・・。

左には、泰済公の名、右には惟正の名が

この絵の筆をとったのは大洲藩のお抱え絵師であった若宮養徳惟正(これまさ)です。養徳は少年の頃より天性画才に富んでおり、絵師になるべく江戸に出て何人かの絵師についた後、養川院惟信に師事して狩野派の正風を取得したといわれています。帰藩後は、一の絵師として泰済に仕え、優れた大作を残したほか、多くの門人を養成しました。大洲藩の美術を語る上で欠かせない人物です。

最近特に、こうした大洲の歴史が詰まった空間の中で神明奉仕できることの有り難さをとつくづく感じております。

いつか、こうした絵馬の数々を皆さんにじっくり見ていただける機会をつくれたらいいなと考えています。

 

 

 


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